クレヨンもスプーンも、気づくと左手。「右手で教えたほうが、あとで困らないかな」と迷うことがあるかもしれません。
大人の都合で、使う手を右にそろえる必要はありません。幼児から小学生の保護者に向けて、本人の使い方を見ながら、家庭での接し方と園・学校への伝え方を考えます。
この記事の目次
使う手を、大人が先に決めない
描く途中で持ち替える、食べるときと遊ぶときで手が違う。まだはっきりしなくても、「こちらの手にそろえよう」と決める必要はありません。
英国の小児病院Alder Heyは、特定の利き手を強制せず、親と同じ利き手とも決めつけないことを案内しています。保護者向け資料(英語)
University Hospitals Birminghamの作業療法資料も、片方を強制せず、さまざまな活動でどちらを選ぶかを見るよう勧めています。クレヨンなどを体の正面に置く工夫も紹介されています。書く前の手の活動に関する資料・3ページ(英語PDF)
「右で持って」の前に、今の様子を
お絵描きが進まないとき、左手だからと理由を決める前に、今起きていることを聞いてみます。
「紙が動いちゃう?」
「描いたところが見えにくい?」
言葉で答えにくければ、一緒に机を見ながら、紙を広げる場所と物の置き方を確かめます。本人の反応を見て、ひとつずつ試しましょう。
声をかけるときも、左右ばかりに注目せず、「丸が描けたね」「自分で最後までできたね」と、やったことに目を向ける方法があります。
子どもから手元が見えている?

右手を使う大人の動きを、そのまま左手でまねするのは、説明しにくいことがあります。「ここを持って」が伝わらないなら、子どもから手元が見えるか、動かす順番が分かるかを確認します。
ただし、道具まで一律に左右反転して使えばよいわけではありません。はさみは左右の構造が異なるものがあるため、刃と持ち手の違いも見て、使う手に合う道具か確かめます。
「左利きです」に、場面を添える
どんなときに、どちらの手を使っているか。具体例を短く添えると、家庭の様子を共有しやすくなります。
家では、絵を描くときと食べるときに左手を使っています。本人が使いやすい手で取り組めるようにしたいです。園でも困っている場面があれば教えてください。
すでに困っているなら、「隣の人と腕が当たると言っています」「工作では紙を押さえにくそうです」など、場面を添えて相談します。
まだ困っていないことまで、先回りして並べる必要はありません。園や学校の活動、使う道具を確かめながら、取り組みやすい方法を相談しましょう。
手の使いにくさを、利き手だけで決めない
手の動かしにくさなどが気になる場合は、「左利きだから」と片づけず、かかりつけの小児科や地域の保健師に相談してください。NHSの手の発達に関する案内(英語)も、技能について心配があるときは、保健師や医師への相談を勧めています。
利き手や発達を、この記事の例だけで判断することはできません。声かけや置き場所の工夫も、特定の効果を約束するものではなく、本人の反応を見ながら試します。
参考資料・出典
出典を確認する(3件)
- Alder Hey: Fine Motor Skills Five Steps to Function ↗出典の調査日 2026-09-28
- University Hospitals Birmingham: Pre-writing skills ↗出典の調査日 2026-09-28
- NHS Healthier Together: Hand Skills ↗出典の調査日 2026-09-28


